Hello,僕の初恋
嘘だと思いたかった。
けれども目の前のショウくんは、淡々と事実だけを伝えていく。
目の前が真っ暗になる。
ライブの翌日。海浜公園のそば。
あの日私は、その近くでミカ先輩とランチをしていた。
遠くで救急車の音が響いていたことを思い出す。
手のひらが震えて、足ががたついた。
「今、県立病院。昨日、意識戻ったって」
震える私の顔を、ショウくんが覗き込む。
ショウくんはいたって冷静そうだけど、いつもクールな表情だから、本当のところは動揺しているのかもしれない。
私のためにここに来て教えてくれるような情熱は、持ち合わせていない人だと思っていた。
「まだ家族しか面会出来ないんだけどさ」
ショウくんはそう言うと、何か企んだような顔をして笑った。
「会いたいだろ?」
当たり前だ、と思った。
会えるもんなら会いたい。
けれども今はそれが出来ないと、あなたが今言ったんじゃないか。