Hello,僕の初恋
一階に着くと、ノゾムくんに案内されながら中庭へと向かった。
エレベーターを降りたところを、カフェや売店とは逆方向へと進む。
換気のためか開かれたままの扉の向こうに、緑豊かな中庭が見えた。
中庭には色々な種類の木が生えていて、『ソメイヨシノ』だとか『紅梅』だとか書かれたプレートが下げられている。
きっとあと少しすれば梅の花でいっぱいになって、春になったら桜が咲き乱れるのだろう。
私たちは中庭の真ん中辺りにあるベンチのところで立ち止まった。
ノゾムくんの車椅子を止めて、私は楽器ケースを降ろしてベンチに腰をかける。
私たちは斜めに向かい合うような格好になったけど、それが思ったより近くって、ますますドキドキした。