Hello,僕の初恋
「うわーん! 二人ともおめでとうー!」
「ミカ先輩!?」
二人で見つめ合ってどうしたらいいのか分からなくなった頃に、遠くからミカ先輩が駆けてくるのが見えた。
どこからどこまで見られていたのか分からないけれど、私たちが手を握り合っているのを見て察したのだろう。
ミカ先輩は私たちの方に走ってくると、私にかばっと抱きついた。
衝撃でガタリとベースが傾く。
「二人が中庭の方に行くの見えたからさ、覗いてたらスタンドバイミーが聴こえてきて……。
こりゃ、応援するっきゃないって全部見てましたごめんなさい!」
ミカ先輩はそう言って、ぺこりとお辞儀をした。
その顔はとびっきりの笑顔だ。
「ひえええぇ恥ずかしすぎる!」
私は手で顔を覆って、指の隙間からちらりとノゾムくんの様子をうかがった。
彼は見たこともないほど真っ赤になっていて、同じ気持ちなんだなと思うと、ちょっと嬉しかった。