Hello,僕の初恋
「ノン、あんた変な格好で行くんじゃないでしょうね」
ぼーっとしている私を見て、お姉ちゃんが睨みながら言う。
それでもぽけーっとしていたら、お姉ちゃんは自分の部屋から緑の花柄のワンピースを持ってきて、それを私の前に突き出した。
「あんた、これ」
「へ?」
「私のお気に入りの。これで行きなさい。今度マック奢ってね」
解せぬ、と思った。
私は制服でいいやと思っていたし、そもそも狙いの男の子がいるわけでも、誰かと勝負するわけでもない。
それなのに勝手におしゃれな服を手渡されて、おまけに奢りを要求されるなんて理不尽だ。
お姉ちゃん、バイトしてるくせに。