Hello,僕の初恋
「ジュース、何にする?」
突然頭上から降ってきた女子生徒の声に、はっと顔を上げた。
見上げた先にいたのは、三年生(たぶん、校章の色で推測)の女の先輩で、先ほどから注文をみんなに聞いて回っているようだった。
うちのクラスにいたら、直ちゃんみたいな立ち位置のしっかり者だろうと推測できる。
ちょっと怖いのを除いては。
「えっと、じゃ、メロンソーダで……」
「はーい」
真っ黒なサラサラのロングヘアーと、猫のような大きくて印象的な瞳。
少し怖い印象のその先輩は、注文だけ聞くと電話の方へと走っていって、どうやら店員さんに注文を伝えているようだった。
そしてそのあと、当たり前のようにアツキ先輩の向かいに座って、彼に何かを話しかけていた。
アツキ先輩の彼女かな? と思ったけど、彼に恋人はいないと今日知ったばかりだ。