Hello,僕の初恋
ノゾムくん。
その名前を聞いて、心臓がどきりと跳ねた。
アヤの眉毛がつり上がって、直ちゃんの目が驚いたように見開く。
やっと追いついた美羽は、はぁはぁと呼吸を整えていた。
周辺でざわめきが起こるのが分かる。
後ろを歩いていたクラスメイトが「きゃー! ノン、今の本当!?」と叫んで、私の背中を叩いた。
あっという間に周囲は人だかりだ。
「あとでちゃんと説明してちょうだいよ!?」
「そういうアヤだって、アイトくんと連絡先交換してたじゃん~?
私なんて取り巻きのひとりだよ~。なんか怖い女の子いたし。
ま、お昼休みにたっぷり聞かせてよね。直子も、ショウくんと外で何してたの?」
「わっ、私はいいの! ただ話してただけだから! はー、でもあのノンがねえ。男の子とふたりで抜け出すなんて」
不意打ちの質問をくらった直ちゃんが、頬を赤く染める。
それからまた私の方を見て、驚いた顔に戻ってそう言った。