Hello,僕の初恋
「抜け出したんじゃないよ!? たまたま一緒に帰ることになっただけなの! あ、でもね……」
私は誤解の訂正をしながら、昨日の出来事を思い出す。
一緒に帰っただけ、それもちょっと違うかもしれない。
思い出しただけで、自然と笑みがこぼれるのが分かった。
「えへへ、すごく素敵なことが起きたんだ!」
そう言ったら、辺りでキャーと歓声がわいた。
朝の予鈴が鳴る。
山の上の方の朝靄は晴れて、いつの間にか真っ青な空へと変わっていた。