Hello,僕の初恋
「山田先輩ね。アツキ先輩やノゾムくんと幼なじみらしいよ。ブラックコーヒーの歌詞の英訳とか、してくれてるんだって」
少し冷静になった直ちゃんが、そう情報をくれた。
きっと彼氏のショウくん情報だろう。
確かに一曲、英語が多い歌を唄っていた気がする。
誰かの曲のコピーだと思っていたけれど、オリジナル曲なんだ。
それもノゾムくんが作った歌なのかな、なんて、私はまた彼のことを考えた。
「へぇ~、頭いいんだ。勝てる気がしないよ~。怖いし」
「英語コースみたいよ」
美羽が『怖い』を強調して言うと、直ちゃんは新たな情報を提供してくれた。
私たちの学校は総合学科で、二年次からは進路に応じたコースを選択出来るようになっている。
私たち進学組は人文コース。ノゾムくんたちは音楽・芸術コース。
そしてその山田先輩とやらは、進学や留学を視野に入れた英語コースの所属らしい。
英語コースの子はちょっと頭がいいので、雲の上の存在だ。