Hello,僕の初恋
「怖いし頭いいとか無理!」
美羽がそう言うと、アヤが「怖いは褒めてねーだろ」と笑った。
山田ミカ先輩。
ブラックコーヒーと関りがあるなら、私とも話すことになるのだろうか。
今日の放課後は、ノゾムくんたちと歌詞の打ち合わせをする予定だ。
「ひぇえ。大丈夫かな? 私。今日打ち合わせするのに。その山田先輩も来るのかなあ」
私は今日初めて泣きそうな顔になって、直ちゃんの方を見た。
不安と緊張で、心臓がひゅんっとなる。視界はあっという間にぼやけはじめた。
「大丈夫大丈夫。山田先輩は美羽みたいな女の子らしいタイプは苦手そうだけど、ノンなら誰とでも上手くやれるよ」
「直子、それ私の慰めになってないからっ」
直ちゃんの励ましに美羽がツッコミを入れて、みんなで笑った。
お昼ご飯はいつの間にか胃の奥だ。
私は残りのジュースを流し込み、紙パックをぎゅっとつぶす。
まるで私の心もぎゅっと押しつぶされたかのように、どくどくと揺れていた。