Hello,僕の初恋
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放課後の教室からは、夕焼けに染まった街が見下ろせる。
校庭のそばに植えられたイチョウの向こうで、真っ赤に染まった葉をつけた樹たちがさわさわと揺れていた。
この紅葉もじきに散ってしまうんだろう。
観光客のピークも先週までかもしれない。
県道の向こうには昨日歩いた長い階段が見え、その中腹にある小さな公園でも真っ赤な葉っぱたちが揺れていた。
駅のホームに特急電車が入っていくのが見える。
街のあちらこちらからは、温泉の湯けむりが立ち上がっていた。
きっとあの特急列車からも、温泉への観光客がたくさん降りてくるのだろう。
そんなことを想像しながらも、私はとても緊張していた。
帰りのホームルームが終わって二分、
クラスメイト達がたくさん残っている教室の窓際で、私はひたすら外を見て心を落ち着けていた。
そんなことをしたところで、落ち着けるはずもない。
ノゾムくんたちが私を迎えにくるからだ。