Hello,僕の初恋
「さ、始めようか。知ってると思うけど俺はヴォーカルしてる山城アツキ。平さんだよね? よろしく」
最初に挨拶を交わしたのは、人気者のアツキ先輩だった。
ニコニコしていて、元気で活発そうなイメージのこの人は、さすがは先輩らしくその場を仕切ってくれている。
ノゾムくんよりもっと茶色い髪をしているいけれど、染めているのだろうか。
大学が決まっているという噂を聞いたから、二年生と違って自由に染められるのかもしれないな、と思った。
「それで、こっちがドラムの新藤アイト」
アツキ先輩が左側を見ながら言う。
私の斜め右前、窓際にいる短髪少年、ドラムのアイトくんが手を上げた。
反対側の手では、フライドポテトを三本摘まんでいる。
「うっす。ノンちゃんとは昨年同じクラスだったよな? よろしく」
一年の時はあまり関わりはなかったけれど、いつもクラスの中心にいたアイトくんは、活発で男らしい感じの性格をしていたと思う。
初めての打合せだけれど、かつてのクラスメイトがそこにいると思うと少しだけホッとした。