Hello,僕の初恋
「こっちはよく知ってると思うけど、ギターの野中ショウね」
続いてアツキ先輩は、私の斜め左前に座る直ちゃんの彼、ショウくんの紹介に移った。
どうして私が彼のことをよく知ってるのか、その理由をからかうように、アツキ先輩はショウくんの頬をつつく。
「よろしく」
ショウくんがぶっきらぼうに頭を下げた。
幼なじみの彼氏といえども、女子とあまり関わらないクールなショウくんとは実際に話をしたことがない。
その実態は本当によく知っているのだけれど。
「それから、きみをここにつれてきたのがベースのこいつね。
知ってるかもしれないけど、俺たちのオリジナル曲はぜんぶノゾムが作曲してるんだよ。
凄いやつなんだ」
「わ、アッくんが俺のこと褒めた!?」
ノゾムくんが私の隣で笑う。
長い睫毛がふわりと揺れて、やさしい二重まぶたが緩やかに下がった。