Hello,僕の初恋
「ラブソングが書けるかは分からないけど、前向きな歌詞でいくね! 頑張って書いてみる!」
「ありがとう」
そう言って笑ったノゾムくんの頬は、ほのかに赤みを帯びていた。
くしゃりと笑う顔、広がる二重まぶたと柔らかなくせっ毛を見て、私はまた胸の高鳴りを感じていた。
きっとこの感情は、これから始まる素敵なことたちへの予感。
ただそう思った。
きっときっと、素敵なクリスマスライブになるだろう。
帰る頃には夜になっていて、県道に並ぶ木々にはイルミネーションが灯っていた。
私の心を表すかのように、いろんな色にちかちかと光っては揺れていた。