Hello,僕の初恋



「ラブソングが書けるかは分からないけど、前向きな歌詞でいくね! 頑張って書いてみる!」

「ありがとう」



そう言って笑ったノゾムくんの頬は、ほのかに赤みを帯びていた。

くしゃりと笑う顔、広がる二重まぶたと柔らかなくせっ毛を見て、私はまた胸の高鳴りを感じていた。



きっとこの感情は、これから始まる素敵なことたちへの予感。

ただそう思った。



きっときっと、素敵なクリスマスライブになるだろう。



帰る頃には夜になっていて、県道に並ぶ木々にはイルミネーションが灯っていた。



私の心を表すかのように、いろんな色にちかちかと光っては揺れていた。
< 74 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop