Hello,僕の初恋
不協和音を蹴散らせ!


次の水曜日、私は文芸部の部室で頭を悩ませていた。



廊下へと繋がる扉の隙間から、冷たい冬の風がびゅうっと吹き込む。

季節はもうすっかり冬になってしまった。



週に二回しかない文芸部の活動だが、この日ここに来ている部員は私と直ちゃんだけだった。



「歌の歌詞って難しいねぇ」

「どう? 出来そう?」

「うーん。いくつか書いてみてはいるんだけど……」



私と直ちゃんが机を向かい合わせに話している姿を、顧問の梅田先生がにこにこと見守る。



梅田先生は二十代半ばの女性教諭で、私たちと一番年齢が近いから何でも相談できる仲だ。

中山先生という国語教師の産休代理としてやってきたので、来年の夏にはいなくなってしまうのが寂しくてしょうがない。
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