乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
令嬢達は一人減り、二人減り、私も去ろうとしたその時だった。

「楠野の妹の方か」

息子の婚約者だったのに私の名前も覚えてないわけ?
天清さんへのペナルティとして婚約させた相手だから、どうでもいいんでしょうけど。
関わりたくないと思いながらも逃げ出せずにいると

「お前は特別にルール変更してやろう。姉を潰せ。徹底的にな。なんの力もないお前だろうから、新崎が力を貸してやる。ありがたく思え」

「月子を潰す?そんなの簡単よ!私だけ、優遇してもらっていいのかしら?」

「構わん。楽しみだ。新崎のものはなんでも使っていいぞ。天清を新崎に取り戻すにはあの女が邪魔だ」

なんて楽勝なルールなの。
私にとって悪い話じゃない。
目障りな月子を排除して、天清さんの妻になる。
美味しい話よ。

「わかりました。それではまず、私を新崎のファミレスチェーン店の企画課にいれてください」

月子を潰すにはまず、月子が何もできない女だってきちんとわからせてやる必要があるわ。
そうやってずっと月子に思い知らせてきてやったのに天清さんがきてから、生意気でしかたないのよね。

「わかった」

極悪人の笑みでその男は笑った。
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