乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
自分に向けられる熱っぽい瞳に逃げたいという気持ちを奪われて、緊張で強張った体を甘く触れられると不思議と体から力が抜けて身を任せてしまう。
それに天清さんはいつもとどこか違う。
大人の男の人の色気を放ち、体を繋ぎとめて離さない。

「あ……」

繰り返されるキスに頭がぼぅっとなり、何も感がられなくなる。
浅いキスからだんだん深くなり、耳元に天清さんの熱い息がかかった。

「平気?」

「は……い……」

その言葉の意味がわかり、小さくうなずいた。
体に這う手と指が触れた部分に余韻が残っていた。
もっと触れて欲しくて、天清さんを深く感じたいと本能的に体が求めている。
自分の肌が晒されているのに平気だと思えるのは相手が天清さんだから。

「月子、嫌だったら言ってよ?」

「嫌じゃ、ないです……私はあなたの妻ですから」

そう答えると天清さんは嬉しそうに微笑んだ。

「そんな可愛いことを言われると止まれなくなる」

さっきまでの愛撫はなんだったのというくらい、激しく天清さんは首から胸へ―――自分の唇よせ、体すべてを喰らいつくすのではといいうくらい激しい愛撫を繰り返した。

「あっ……、もっぅ……」

息ができなくなる一歩手前で私の声は途切れた。

「―――っ!」
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