乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
天清さんの熱さを感じて、体にしがみついた。

「いいよ、もっときつく掴んでも」

「……こわっ……い」

「怖いならキスしようか。気がまぎれる」

優し気な瞳に騙されたわけではないけど、自分から天清さんにキスをした。

「ん、ふぁ……」

深いキスに目眩がする。
全部、私は彼の手の内。
誘導されるようにされるがまま、甘い声をあげるまで何度も繰り返された。

「やっと……月子と触れ合えた」

なんでもできて、欲しい物なんて簡単に手に入ってしまうような天清さんが私の体を深く抱きしめてそう言った時、彼の孤独に触れたような気がしていた―――

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