乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
フェア前日、天清さんも遠堂さんも父も戻り、明日からのフェアの開始を待つばかりになった。

「月子。食べてみたけど、どれも美味しかったよ」

そう天清さんに言われて有頂天になったことは言うまでもない。

「詩理さんもドレッシングを手伝ってくれたんですよ」

「詩理さんが!?」

遠堂さんは『新崎のお嬢様を働かせて』という目で私をみてきたけど、気づかないふりをした。

「遠堂、いいのよ。すごく楽しかったわ。私も働きたいわ」

「なりません!」

「遠堂が決めることじゃないでしょう?」

「それはそうですが」

苦い表情を浮かべていた。
遠堂さんもあんな顔するんだと思っていると、天清さんに詩理さんが言った。

「お父様が嫌がらせをしてくるかと思っていましたけど、大丈夫でしたね」

「あの人はお金にならないことはしない。そもそもフェア対決といいながら、新崎のファミレスの層と『楠野屋』の客層は違うから、嫌がらせをしたところで一銭の得にもならないからね」

わ、割りきってるなあ。
今までのフェアにはないドキドキ感が私にはあった。
とうとう明日。
フェア対決が始まる―――
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