乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
人の視線が集まり、手のひらに汗をかいて胸が苦しくなった。
ジロジロみられているのが目を合わせなくてもわかる。
自分では変わったと思っていてもまだ平気じゃない。
「もしかして奥様ですか?」
「『楠野屋』のお嬢様!すごーい!」
一斉に見られるのはまだ怖い。
でもっ!
「は、は、はじめまして。妻の楠野月子です」
ふっと天清さんは嬉しそうな顔をした。
「妻か―――いいね」
目を細め、私の肩を抱くと席へと歩き出した。
「月子の嫉妬も悪くないなー」
「し、嫉妬!?別に嫉妬してませんけど!!」
「あれ?そうだった?」
悪い顔をして笑う天清さんはやっぱり新崎のお父様とそっくりだった。
でも、顔だけだし!
天清さんの方が何倍も何十倍もずっと優しい。
「みてごらん、月子」
広いソファー席に着くなり、私に笑って言った。
「え?」
「フェアメニューを頼むかどうか。今の時間帯はちょうど昼休みだ。よくここを利用する常連客が集まっているってことだよ」
「はい……」
メニューを手にしたまま、きょろきょろと周りを見ていると日替わりランチを頼んでいて、デザートは誰も食べてない。
ジロジロみられているのが目を合わせなくてもわかる。
自分では変わったと思っていてもまだ平気じゃない。
「もしかして奥様ですか?」
「『楠野屋』のお嬢様!すごーい!」
一斉に見られるのはまだ怖い。
でもっ!
「は、は、はじめまして。妻の楠野月子です」
ふっと天清さんは嬉しそうな顔をした。
「妻か―――いいね」
目を細め、私の肩を抱くと席へと歩き出した。
「月子の嫉妬も悪くないなー」
「し、嫉妬!?別に嫉妬してませんけど!!」
「あれ?そうだった?」
悪い顔をして笑う天清さんはやっぱり新崎のお父様とそっくりだった。
でも、顔だけだし!
天清さんの方が何倍も何十倍もずっと優しい。
「みてごらん、月子」
広いソファー席に着くなり、私に笑って言った。
「え?」
「フェアメニューを頼むかどうか。今の時間帯はちょうど昼休みだ。よくここを利用する常連客が集まっているってことだよ」
「はい……」
メニューを手にしたまま、きょろきょろと周りを見ていると日替わりランチを頼んでいて、デザートは誰も食べてない。