乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
ランチについてくるデザートとコーヒーや紅茶で十分のようだった。

「月子は何を食べる?」

「えっ、えーと……。プチデザートプレートと海の幸ドリアでお願いします」

デザートプレートなら色々なデザートが一口ずつついてきて、いろいろ味わえる。

「俺のは月子が選んでいいよ。他にも食べたい物があるだろうから」

にこにこと天清さんは笑顔で言ってきたけど、この笑顔は危険すぎる。
策士だから。
天清さんは。

「……いえ、大丈夫です」

「えっー!!なんで!?」

「一口ずつ食べようっていうつもりじゃないですか!?」

「え、どうしてわかったんだろ……」

まだ『あーん』を諦め切れてないようだった。
こんな人の目がある所でできるわけがない。
注文が決まるとボタンを押せばいいらしく、サッとボタンを押すとピンポーンとなった。

「月子!?」

「ご注文はお決まりですか?」

「プチデザートプレートと海の幸ドリアを二つお願いします」

きっぱりと言い切った。

「同じ物!?」

「私が選んでいいって言いましたよね?」

「言ったけどさ……」

あーあ、と天清さんはがっくりと肩を落とした。
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