乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
仕方ないと言ったかと思うと布団一式を押し入れの中に入れてくれた。

「風邪引くから、これ使えばいいよ」

「……天清さんはどうするんですか?」

「俺?野宿とかで慣れてるし。リビングにソファーがあったから、そこで寝るよ」

「の、野宿?」

「ああ、旅で宿が見つからない時とか」

そんな時ある!?
待って!!今はそこは気にするところじゃない。
大事なのは今夜をどう乗り切るかよ!
ど、どうしよう。
私が布団で眠って天清さんがソファーなんて申し訳ない。
でも、一緒に眠るなんて無理っ!
考えただけで、心臓がバクバクした。

「じゃー、おやすみ」

「ま、ま、待ってください!私だけが布団を使うなんてそんな図々しいことできません。私が押し入れにクッションをひいて寝ます……!」

「うーん。クッションって……。じゃあ、布団は一組しかないしさ。半分ずつ使う?」

頭の中に乙女ゲームならではの選択肢が浮かんだ。

→【彼と一緒に眠る】 
 【そんなの無理っ!逃げよう!】

ハートが増えるのは上の選択肢。
待って!!よく考えるのよ、私。
逃げて捕まるパターンもある。
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