乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
第32話 戻らないもの【響子 視点】
「こちらをご覧ください。フェアの売り上げ結果です」
新崎グループ総裁の秘書が私の前に差し出したのはフェア期間中の売り上げ状況だった。
フェアメニューだけじゃない。
『楠野屋』と『バニー』の売り上げもかなり差がひらいていた。
「向こうの方が有利だったのよ!社員が優秀だったの!」
「失礼ながら、こちらの社員が企画したフェアメニューの売り上げも参考までにお持ちしました」
私が企画したものと新崎の社員が企画したもの。
それより、私の方が下回っていた。
「総裁より、伝言です。『お前を天清の妻にしておけばよかった』と」
それは私なら、容易く天清さんを新崎に戻せたのにっていう意味!?
きっと秘書を睨み付けた。
「では、約束の期限が過ぎましたのでマンションは本日より、入室できません。それから、新崎は今後、一切あなたとは関わることはございませんので、そのおつもりで」
淡々と秘書は告げた。
新崎とかわした契約書にはそう書いてあったけど。
「まって!まだチャンスをもらえない?今回は罠にはめられただけなのよ!」
そう―――あの『楠野屋』の主任だった男。
新崎グループ総裁の秘書が私の前に差し出したのはフェア期間中の売り上げ状況だった。
フェアメニューだけじゃない。
『楠野屋』と『バニー』の売り上げもかなり差がひらいていた。
「向こうの方が有利だったのよ!社員が優秀だったの!」
「失礼ながら、こちらの社員が企画したフェアメニューの売り上げも参考までにお持ちしました」
私が企画したものと新崎の社員が企画したもの。
それより、私の方が下回っていた。
「総裁より、伝言です。『お前を天清の妻にしておけばよかった』と」
それは私なら、容易く天清さんを新崎に戻せたのにっていう意味!?
きっと秘書を睨み付けた。
「では、約束の期限が過ぎましたのでマンションは本日より、入室できません。それから、新崎は今後、一切あなたとは関わることはございませんので、そのおつもりで」
淡々と秘書は告げた。
新崎とかわした契約書にはそう書いてあったけど。
「まって!まだチャンスをもらえない?今回は罠にはめられただけなのよ!」
そう―――あの『楠野屋』の主任だった男。