乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
何度もかざして眺めていると、天清さんがいつの間にか私の前にいて微笑んでいた。
「まさか、月子。結婚指輪をはずさないよね?」
「ま、まさかぁー!そんなことしませんよ。天清さんとの愛の証を!」
こっそりつけてみようかな?と思っていたことはバレバレだったけど、天清さんの笑顔が怖くて慌てて否定した。
―――なんて鋭い。
「大切に飾っておきます!私の趣味部屋に!」
「えっ!月子。そんな部屋あった!?」
「押し入れです」
天清さんはえー!?と驚いていたけど、私は首を横に振った。
「天清さん。鶴の恩返しの話を知ってますか?」
「もちろん、知ってるよ。鶴が機織りをする話だよね?」
「そうです。妻は機を織る所を見られたくないんです。だから、趣味部屋は絶対に入らないで下さい」
「わかった……」
天清さんは真面目な顔でうなずいてくれたけど、遠堂さんは『天清さんに向かって何言ってんだ?コイツ』という目で私を見ていた。
夫婦と言えども秘密にしたいことはあるんですよっ!!
そう目で訴えたけど、遠堂さんには伝わらなかった。
私と目が合って眉間の縦皺が増えただけだった―――
「まさか、月子。結婚指輪をはずさないよね?」
「ま、まさかぁー!そんなことしませんよ。天清さんとの愛の証を!」
こっそりつけてみようかな?と思っていたことはバレバレだったけど、天清さんの笑顔が怖くて慌てて否定した。
―――なんて鋭い。
「大切に飾っておきます!私の趣味部屋に!」
「えっ!月子。そんな部屋あった!?」
「押し入れです」
天清さんはえー!?と驚いていたけど、私は首を横に振った。
「天清さん。鶴の恩返しの話を知ってますか?」
「もちろん、知ってるよ。鶴が機織りをする話だよね?」
「そうです。妻は機を織る所を見られたくないんです。だから、趣味部屋は絶対に入らないで下さい」
「わかった……」
天清さんは真面目な顔でうなずいてくれたけど、遠堂さんは『天清さんに向かって何言ってんだ?コイツ』という目で私を見ていた。
夫婦と言えども秘密にしたいことはあるんですよっ!!
そう目で訴えたけど、遠堂さんには伝わらなかった。
私と目が合って眉間の縦皺が増えただけだった―――