乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します！

おしゃれな人達が使うっていう認識だったコーヒーショップ。
一度は立ち寄ってみたかったコーヒーショップ！！
あの呪文みたいな注文をやる日が訪れようとは。
しかも、私一人。
ドキドキしながら、列に並んだ。
予習は万全！
自分の番になり、素敵な店員さんの笑顔が目に入る。
時はきた―――！
鬨(とき)の声と同時にわあああっと騎馬隊が駆けて抜けて行く。

「ご注文お決まりになりましたら、お伺いいたします」

「トールサイズでコーヒーティラミスフラペチーノを一つ、ミルクはノンファットミルクに変更でチョコチップ追加でお願いしますっ！あ、あと、シナモンロールを一つ下さい」

一気に言ったけど、店員さんはちゃんと聞き取れたようだった。
私におかしいところがあったはずなのににっこりと微笑みを浮かべて崩さない。
優しい……これがプロですか……。

「店内でお召し上がりですか？」

「い、いえ！て、テイクアウトでお願いいます」

「かしこまりました。あちらでお待ちください」

―――最大の難関を突破した。
やりました！私、やりきりました！
天清さん！