乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
声をかけても無視されて返事がなく、混み合ってきて他の人の迷惑になりそうだったのでその場を離れた。

「な、なんで?響子がアルバイト?新崎で働くって聞いていたけど……」

両親から聞いた話によると、公康さんと離婚した響子は『楠野屋』を辞めて新崎グループで働いていて、絶好調だから心配しなくていいと本人から連絡があったと聞いた。
でも、新崎グループで働いているのにバイトなんておかしい。
響子は私とは口をきかないと決めてるのか、近寄りもしないし、目もあわせない。
新崎グループに確認すれば、はっきりするんだろうけど。

「新崎に行けばわかる?」

天清さんのお父さんの顔が浮かんだ。
できたら、会いたくない。
でも、詩理(ことり)さんに会う口実にはなる!
様子を見に行きたかったのもあるし……。
ここは勇気を出して行くしかない!
運転手さんに声をかけた。

「あの、新崎家に行ってもらっていいですか?」

「なんですとっ!?月子お嬢様がお一人でご訪問されるんですかっ!?」

「ちょっと気になることがあって」

「こんな日が来るとは思いもしませんでした」

そ、そんなに?
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