乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
第36話 偵察
トドンッと和太鼓の音が聞こえてきそうな門の前に立ち、インターホンを押そうか押すまいか、ぶるぶると指を震わせていた。
「お、押すわよ!?」
気分は出陣前の武将で言わば、こちらが兵千に対して向こうは兵一万くらいの兵力差で臨むような心持ちだ。
もしくは道場破り。
たのもーー!!!
心の中で叫んでインターホンを押した。
ピンポーンと他の家と変わらぬチャイムが鳴って、『どちらさまでしょうか』とお手伝いさんらしき人の声が聴こえた。
「楠野月子です。突然お伺いしてしまい、申し訳ありません。詩理さんはいらっしゃいますか?」
『少々お待ちください』
玄関の門扉が自動でががががっと開いた。
城壁かな?というくらい高い壁に強固な門。
住んでいる人間の人となりがわかるというものだ。
「ま、まあ、最初からラスボスと顔を会わせるより、まずは詩理さんから会おうって作戦ですよ」
誰に言うわけでもなく、自分に言い聞かせた。
『どうぞお入り下さい』と声がして玄関に行くと―――
「人さらいがなにしにきた?」
「……っ!?!?」
驚きすぎて声もでなかった。
「お、押すわよ!?」
気分は出陣前の武将で言わば、こちらが兵千に対して向こうは兵一万くらいの兵力差で臨むような心持ちだ。
もしくは道場破り。
たのもーー!!!
心の中で叫んでインターホンを押した。
ピンポーンと他の家と変わらぬチャイムが鳴って、『どちらさまでしょうか』とお手伝いさんらしき人の声が聴こえた。
「楠野月子です。突然お伺いしてしまい、申し訳ありません。詩理さんはいらっしゃいますか?」
『少々お待ちください』
玄関の門扉が自動でががががっと開いた。
城壁かな?というくらい高い壁に強固な門。
住んでいる人間の人となりがわかるというものだ。
「ま、まあ、最初からラスボスと顔を会わせるより、まずは詩理さんから会おうって作戦ですよ」
誰に言うわけでもなく、自分に言い聞かせた。
『どうぞお入り下さい』と声がして玄関に行くと―――
「人さらいがなにしにきた?」
「……っ!?!?」
驚きすぎて声もでなかった。