乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します！

第３８話 明かされる契約内容

私が新崎の家を訪れてから、数日後―――

「ただいまー！月子！！」

ちょっと日に焼けて、前よりも引き締まった体をした天清(たかきよ)さんが帰ってきた。
海外出張のお土産と思われる品々を天清さんはまるで戦利品のようにして、ずらりとお土産を並べた。
それはまるで、王様の凱旋。

「すごいお土産の量ですね」

「見て、月子」

ばさっと部屋中に手織りの色鮮やかな布が広げられた。
絹や麻の布には見事な刺繍がほどこされ、まるで万華鏡の模様のようなサリーがふわりと肩にかけられた。
アクアマリンのティアドロップ型のイヤリング、パールのフープピアスに紫の花のようなアメジストリング、使い勝手のよさそうなアクセサリーがいくつもある。

「うん！似合う！月子は目鼻立ちが良いから、似合うと思った」

不思議な模様の布を物珍しげに手で触れたり、じいっと見詰めていると天清さんが微笑んだ。

「これはペルシャ模様、こっちは金糸と銀糸の刺繍が特徴だよ」

「綺麗な布ですね」