乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
第40話 旅行
「月子。これは新婚旅行じゃなくて、あくまで予行練習だからね?」
そう天清さんが念を押したのは私が『新婚旅行は済みました』と言い出さないためとみた。
その判断は正しく、曖昧な返事でかわした私を天清さんは笑顔で『新婚旅行には行くよ!』と両肩をつかみ、『はい』と言わせた。
その予行練習は温泉で離れの宿がある静かな山の中。
さらさらと川の音と鳥の声が山から聴こえ、落ち着いた気持ちになれる。
―――はずでした。
「いらっしゃいませ。楠野様」
旅館の従業員全員がいるのでは?と思うくらいの人数が出迎えてくれた。
天清さんは顔見知りなのか。
「新崎様から楠野様になられたそうで。ご結婚おめでとうございます」
「もう独身じゃないんですね。残念です」
うん!?
「私、連絡をしたのに返事をくれないなんて、ひどいです」
んんっ!?
私の気のせいじゃなかったら、天清さんに女の客室係からフロントの人まで群がってない!?
確かに天清さんは明るくて話しやすくて、素敵だけど!
ここに妻がいるんですよっ。
そう天清さんが念を押したのは私が『新婚旅行は済みました』と言い出さないためとみた。
その判断は正しく、曖昧な返事でかわした私を天清さんは笑顔で『新婚旅行には行くよ!』と両肩をつかみ、『はい』と言わせた。
その予行練習は温泉で離れの宿がある静かな山の中。
さらさらと川の音と鳥の声が山から聴こえ、落ち着いた気持ちになれる。
―――はずでした。
「いらっしゃいませ。楠野様」
旅館の従業員全員がいるのでは?と思うくらいの人数が出迎えてくれた。
天清さんは顔見知りなのか。
「新崎様から楠野様になられたそうで。ご結婚おめでとうございます」
「もう独身じゃないんですね。残念です」
うん!?
「私、連絡をしたのに返事をくれないなんて、ひどいです」
んんっ!?
私の気のせいじゃなかったら、天清さんに女の客室係からフロントの人まで群がってない!?
確かに天清さんは明るくて話しやすくて、素敵だけど!
ここに妻がいるんですよっ。