乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
第41話 優しいのは君にだけ
結局こうなる―――ちょっと恨めしい目で天清さんを見た。

「温泉楽しいね、またこよう?月子」

「一緒に入らないって言ったのに……」

「うん、ごめんね?」

ニコッと天清(たかきよ)さんは無邪気に笑った。
絶対に悪いとは思ってない。
無理矢理、服を脱がすと体を抱え、抵抗しようとすると、キスをされて力を奪い、気づいたら露天風呂に連れてこられていた。

「うー……」

まだ明るいから、体が見えて恥ずかしいのに。

「月子は大胆だね」

「えっ!?そ、そうですか?」

慌てて、ぶくっとお湯に肩までつかった。

「違うよ、そうじゃなく。新崎(あらさき)の家にまさか乗り込むとは思ってなかった」

体は見せて?と言って天清さんが笑って、体に触れようとしたのを見て、ひえっ!!とばしゃばしゃとお湯を叩くと頭も顔もお湯がかぶり、髪まで濡れて二人で笑い合った。

「月子はやっぱりすごいな。いつも俺が思ってもみないことをするから」

「そうですか?」

「俺をこんなに我慢させて、ひどい目にあわせるのは月子くらいだし」

「が、我慢の方はすみません」
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