乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
「あ―――」

熱い―――そう思った時にはのぼせて、ぱったりと天清さんの体に倒れこんでいた。

「月子!?」

さっきまでの意地悪な顔は消えて、焦った天清さんの声と顔が見えた。

「……酷いです」

「つい夢中で!!」

火照った体を冷ますように抱きかかえられてお湯から出た。
冷たい空気が心地いい。
けれど―――

「もうお風呂は危ないからやめてください……」

「うん……ごめん」

素直に謝った天清さんはしゅんとしていて、まるで叱られた犬のようだった。
無理をさせたね、とキスをしたけど、体が熱くなるからそれはまだだめ、と思っていた。
本当に我慢してるんですか?
天清さん?
そう聞きたかったけど、ぐったりとしていて声がでなかったのだった―――
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