乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
こんな惨めな生活を私に続けさせるの?

「ま、待って!月子に謝ればいいの!?そうすれば―――」

「謝りたいなら、謝ればいい。けど、この生活は変わらない」

「天清さん。そろそろ帰らないと。今日は月子さんがカレーを作ってくれるんじゃなかったですか?インドカレーの本を買ったとかで。まあ、旅行回避のための作戦かもしれませんが」

「あ、そうだった!早く帰ってカレーを食べよう!」

パッと明るい顔を見せたのは私も知っている顔だった。
本気で月子が好きなわけ?
あんな女のどこが!

「月子のどこにそんな魅力があるっていうのよ!」

去り際に振り返り、一番いい笑顔をして言った。

「俺よりも善人なとこだね」

それに関しては否定できず、返す言葉が見つからなかった―――
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