乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
「社長の娘って言っても地下の資料室にいるカビが生えたみたな暗い女と結婚させられて、可哀想なもんだな」
「楠野の財産狙いとはいえ、あの女はないよな」
「地下に一人、書類整理しかしてないような役立たずな娘を押し付けられて、社長もご機嫌だ」
言いたい放題だった。
でも、一言も言い返せなかった。
バッグをきつく握ったまま、天清さんの姿を観葉植物の陰から再び盗み見ると―――
「あれ?月子は!?」
私がいないことに気付いたらしく、エレベーターに乗る前に探して、周りをきょろきょろと見回していた。
私は天清さんの隣に立てるような存在じゃないんです……!
一緒にいることで、天清さんまで悪く言われてしまう。
いっそ、空気になれたらいいのに。
さらに身を小さくさせて隠れた。
「お久しぶりです!天清さん!」
明るい声に高いヒールの靴、ミントグリーンの清涼感あるパンツスーツにリバーシブルバックルベルト、首元にタック入りの白いトップス、スタイルがよく、その着こなしはモデル並―――妹の響子が颯爽と現れた。
「楠野の財産狙いとはいえ、あの女はないよな」
「地下に一人、書類整理しかしてないような役立たずな娘を押し付けられて、社長もご機嫌だ」
言いたい放題だった。
でも、一言も言い返せなかった。
バッグをきつく握ったまま、天清さんの姿を観葉植物の陰から再び盗み見ると―――
「あれ?月子は!?」
私がいないことに気付いたらしく、エレベーターに乗る前に探して、周りをきょろきょろと見回していた。
私は天清さんの隣に立てるような存在じゃないんです……!
一緒にいることで、天清さんまで悪く言われてしまう。
いっそ、空気になれたらいいのに。
さらに身を小さくさせて隠れた。
「お久しぶりです!天清さん!」
明るい声に高いヒールの靴、ミントグリーンの清涼感あるパンツスーツにリバーシブルバックルベルト、首元にタック入りの白いトップス、スタイルがよく、その着こなしはモデル並―――妹の響子が颯爽と現れた。