乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
「遠堂。俺の婚約者って、こっちだったのか」
遠堂さんはそばに控えていて、まるで家臣のような態度で恭しく天清さんに答えた。
「そうです。天清さんはご興味ないようでしたから、覚えていらっしゃらないと思いますが」
「ご興味ない!?」
私の周りで響子のことをそんなふうに言う人はいなかった。
響子だって言われたことがなかったせいか、戸惑っていた。
「ふーん、そっか。俺の結婚相手が月子でよかったな。面白いし、美人だしな!」
「左様ですか。初日から遅刻しては困りますから、天清さん、行きましょう。それでは失礼します」
遠堂さんがエレベーターのボタンを押してドアを開け、天清さんが中に入るのを確認するとばたんっとエレベーターのドアを閉めた。
二人がいなくなった後もしばらく沈黙が続いていたけど、響子の機嫌が悪くなるのが見えて危険を感じ、八つ当たりされる前に慌てて地下室への階段を降りた。
「天清さんって、やっぱり変わってる」
私の方でよかったなんて、今まで誰も言ってくれなかった。
誰からもちやほやされ、褒められて育ってきた響子は初めてあんなことを言われたに違いない。
遠堂さんはそばに控えていて、まるで家臣のような態度で恭しく天清さんに答えた。
「そうです。天清さんはご興味ないようでしたから、覚えていらっしゃらないと思いますが」
「ご興味ない!?」
私の周りで響子のことをそんなふうに言う人はいなかった。
響子だって言われたことがなかったせいか、戸惑っていた。
「ふーん、そっか。俺の結婚相手が月子でよかったな。面白いし、美人だしな!」
「左様ですか。初日から遅刻しては困りますから、天清さん、行きましょう。それでは失礼します」
遠堂さんがエレベーターのボタンを押してドアを開け、天清さんが中に入るのを確認するとばたんっとエレベーターのドアを閉めた。
二人がいなくなった後もしばらく沈黙が続いていたけど、響子の機嫌が悪くなるのが見えて危険を感じ、八つ当たりされる前に慌てて地下室への階段を降りた。
「天清さんって、やっぱり変わってる」
私の方でよかったなんて、今まで誰も言ってくれなかった。
誰からもちやほやされ、褒められて育ってきた響子は初めてあんなことを言われたに違いない。