乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
お礼を言うと私を頭から爪先まで遠堂さんは眺め首を横に振った。
部屋を整えていた遠堂さんが天清さんに近寄ると小さな紙袋を渡し、一礼し、さっと後ろに下がった。
「それでは、私は書類をとって参ります」
「おー、頼むー」
遠堂さんが部屋を出ていくと天清さんはニコッと私に微笑んだ。
な、なに?
スタスタと歩いて近寄ってくると、紙袋からとんとんとんっとリズムよくアクセサリーケースを机に並べ、髪に触れた。
「っ!!?」
逃げ出そうとしたけれど、ギュッと掴まれた。
「はい、逃げない」
「ひ、ひえっ!」
「大丈夫だって。俺は何もしないから。約束を守る男だって言うのは昨晩で証明されてるはずだよね?」
「は、はい」
確かにそうだ。
むしろ、絶対防衛ラインを越えていたのはこの私。
逃げないとわかると、そっと手を離してくれた。
「髪に触れても?」
「もう触れてます……けど」
「あ、本当だ。いいよね?」
『はい』も『いいえ』も待たずに指が髪に触れ、髪を器用にまとめると銀色のバレッタでとめてくれた。
私は人に近寄られるのも触れられるのも苦手なのに今、少しも嫌じゃなかった。
部屋を整えていた遠堂さんが天清さんに近寄ると小さな紙袋を渡し、一礼し、さっと後ろに下がった。
「それでは、私は書類をとって参ります」
「おー、頼むー」
遠堂さんが部屋を出ていくと天清さんはニコッと私に微笑んだ。
な、なに?
スタスタと歩いて近寄ってくると、紙袋からとんとんとんっとリズムよくアクセサリーケースを机に並べ、髪に触れた。
「っ!!?」
逃げ出そうとしたけれど、ギュッと掴まれた。
「はい、逃げない」
「ひ、ひえっ!」
「大丈夫だって。俺は何もしないから。約束を守る男だって言うのは昨晩で証明されてるはずだよね?」
「は、はい」
確かにそうだ。
むしろ、絶対防衛ラインを越えていたのはこの私。
逃げないとわかると、そっと手を離してくれた。
「髪に触れても?」
「もう触れてます……けど」
「あ、本当だ。いいよね?」
『はい』も『いいえ』も待たずに指が髪に触れ、髪を器用にまとめると銀色のバレッタでとめてくれた。
私は人に近寄られるのも触れられるのも苦手なのに今、少しも嫌じゃなかった。