乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
でも、私にはこれで十分。
むしろ妹が欠席してくれてよかったかもしれない。
主役であるはずの花嫁より妹の方が主役になるのは目に見えている。
どうせ私は永遠のモブ。
―――せめてゲームの中くらいは主役でモテモテを味わいたい。
そんな願望からか、すっかり私は乙女ゲームオタクになってしまった。
「妹さんと比べて地味な結婚式ね」
親戚のおばさんの声が聴こえた。
引っ込み思案にして、ひきこもり、気の利いたことは一切しゃべれず、おどおどしている私を両親は見られたくなかったのだ。
だから、最低限の招待客で済ませた。
両親の気持ちは痛いほどわかる。
申し訳ないくらいに。
「いやぁ、妹の響子さんが婚約者を捨てて他の男と結婚した時はどうなるかと思ったが、お相手の新崎さんが寛大で本当によかった!姉の方でもいいと言ってくれるなんてな」
「顔合わせはしたのか?結婚して、姉の方は嫌だと難癖つけられると困るぞ」