乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
しかも、出品されても高額で綺麗な状態の物は見つかりにくい。

「添い寝する?」

頭の中に選択肢が浮かび上がった。

→【頑張って添い寝しちゃう!】 
 【欲しいけど、諦めて一人で眠る】

ぶんぶんっと頭を振った。
『ときラブ』のために悪魔に魂を売り渡すの?
私は。
でもっ!
目の前に『ときラブ』特装版がっ!
しかも新品。

「……悪人ですね」

心の葛藤に苦しむ私の前にパッケージをちらりと見せた。
間違いない。
これは本物の特装版。
そっと触れた。

「俺ほど善人はいないよ。添い寝で我慢してあげるっていう心の広い男はそうそういないってこと忘れずに」

はいっと満面の笑みで私に渡してくれた。
う、うわぁ!!
やっぱり素敵だ。
キラキラパッケージに龍空様の夏服デートバージョン。
しかも、中にキャラデザの時の下絵まで入ってるー!!
素晴らしい。
天清さんがいなかったら、手を合わせて拝んでいたところだ。

「約束はー?」

「……わかりました。隣で眠るだけですからね?」

「もちろん。俺が約束を守る男だってことは昨晩でわかってもらえたはずだしね」
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