乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
また私の可愛い妹への嫉妬から言っていると思われるだけ。
首を横に振った。
「デートの件は承知いたしました。リハビリにいいかもしれません」
「リハビリ!?」
「はい。私は天清さんが言う通り、私は人に馴れていないと思います。もっと人ごみに行ったり、外を出歩けば、このおどおどした私も堂々と振る舞えるかもしれません」
「俺だけに馴れてくれれば別に。他の人にはそこそこでいいんじゃないかな」
「会議に出席するためにはそうするしかありません!」
「そんな大決意!?いいけど、ちゃんとデートだってわかってるよね!?」
「もちろんです」
出陣前の武将のように重々しくうなずいた。
「それなら、いいけど。じゃ、次は月子の番!俺に月子の好きな物を教えてよ」
「本当にいいんですか?」
「いいよ!」
天清さんは笑った。
この人なら、大丈夫―――?
でも、ドン引きされたら?
「月子のこと簡単に嫌いになったりしないって」
私の胸の内をまるで読んだかのようにそう言ってくれた。
優しい天清さんは私を否定しない。
だから、私も少し変われるかもしれないなんて思えた。