乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
「こ、ここはっ!!ま、まさか!」

「気づいた?」

「気づくもなにも『ときラブ』のモデルになった教会じゃないですかっ!」

リアル『ときラブ』の世界に思わず、うっとりとした。
主人公との出会い、そしてエンディングの結婚式!
いわば、『ときラブ』の聖地。
SNSで紹介されていて、ずっと訪れて見たかったけど、一人で訪れる勇気もなく、画像で我慢していた。

「ありがとうございます。天清さん!」

「事前に許可をもらってあるから中も見れるよ」

「中まで!」

パイプオルガン、深い茶色の椅子、高い窓から降り注ぐ光。
エンディングだけに許された中の様子は特別感MAX!!

「う、うわあ……最高です」

「それはよかった」

後ろから天清さんはついてきて、私の手をとった。

「愛の誓いをするんだったよね」

私の左手の薬指には結婚指輪あり、その指輪に口づけるとポケットから銀のチェーンネックレスに婚約指輪を通した物を首につけてくれた。
天清さんが見つけた宝石で作った特別な指輪。

「月子。俺とずっと一緒にいてほしい」

「―――はい」

私は夢心地で返事をしていた。
これ、現実?
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