乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
「皆、よく見てほしい。これは今まで月子が出してきた企画の原本だ。地下室のキッチンで試作した時の詳しい内容が控えてある。それから、試作品の写真も残っている」
天清さんの明瞭な声が会議室に響いた。
「今日、月子が出した企画は初めてじゃない。今まで新メニューの考案やフェアは月子がやってきた」
刺すような視線が私に向けられた。
汗が額からつたわり、共犯者だった男は青い顔で私を見つめていた。
「違うの!聞いて!私は誰の企画か知らずに渡されていたの。商品開発部の主任が『響子さんの名前で出してもいいですか』って聞いてきたから」
私から主任へと視線が移った。
危なかった。
私の会社での立場がなくなるところだったわ。
「そ、そんな、きょ、響子さん」
「私、月子の企画だなんて知らなかったの。本当よ」
綺麗な私と冴えない主任。
どっちを皆は信じると思う?
主任が書類を管理していたことは間違いない。
それがあるから、当然言い逃れなんてできなかった。
全員の目は主任に向けられていた―――ただし、天清さんと遠堂さんを除いては。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
天清さんの明瞭な声が会議室に響いた。
「今日、月子が出した企画は初めてじゃない。今まで新メニューの考案やフェアは月子がやってきた」
刺すような視線が私に向けられた。
汗が額からつたわり、共犯者だった男は青い顔で私を見つめていた。
「違うの!聞いて!私は誰の企画か知らずに渡されていたの。商品開発部の主任が『響子さんの名前で出してもいいですか』って聞いてきたから」
私から主任へと視線が移った。
危なかった。
私の会社での立場がなくなるところだったわ。
「そ、そんな、きょ、響子さん」
「私、月子の企画だなんて知らなかったの。本当よ」
綺麗な私と冴えない主任。
どっちを皆は信じると思う?
主任が書類を管理していたことは間違いない。
それがあるから、当然言い逃れなんてできなかった。
全員の目は主任に向けられていた―――ただし、天清さんと遠堂さんを除いては。
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