乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
第20話 逃走
「それで?」
あ、あれー!?
そんな冷静に言っちゃうの……?
もっと熱くなって『離婚しないなら―――』とかあるよね?
疑問形でくるなんて予想外。
ど、どうしよ!!
「楠野として新崎になにができる?」
利益重視。
なんて、わかりやすい人なんだろう……。
思わず、冷めた目で見てしまった。
乙女ゲームキャラにだって、自分の息子と娘の名前を呼ばないような人はさすがにいなかった。
世の中、金ですか?
「なんだ。威勢が少しばかりよかっただけか」
「月子に酷いことを言うな」
天清さんが父親を睨み付け、親戚が居並ぶ席をぐるりと見回すと堂々とした態度で全員に告げた。
「俺が今日ここに来たのは月子以外の人とは結婚しない。それを全員の前で言うために来た」
「天清。せっかく新崎に戻してやると言っているんだぞ?お前は和食チェーン店で満足するような人間ではないだろう?」
天清さんのことだけ、名前で呼ぶっていうことは天清さんの能力を買っているからなんだろうけど、私のお父様がそんな人じゃなくてよかった。
あ、あれー!?
そんな冷静に言っちゃうの……?
もっと熱くなって『離婚しないなら―――』とかあるよね?
疑問形でくるなんて予想外。
ど、どうしよ!!
「楠野として新崎になにができる?」
利益重視。
なんて、わかりやすい人なんだろう……。
思わず、冷めた目で見てしまった。
乙女ゲームキャラにだって、自分の息子と娘の名前を呼ばないような人はさすがにいなかった。
世の中、金ですか?
「なんだ。威勢が少しばかりよかっただけか」
「月子に酷いことを言うな」
天清さんが父親を睨み付け、親戚が居並ぶ席をぐるりと見回すと堂々とした態度で全員に告げた。
「俺が今日ここに来たのは月子以外の人とは結婚しない。それを全員の前で言うために来た」
「天清。せっかく新崎に戻してやると言っているんだぞ?お前は和食チェーン店で満足するような人間ではないだろう?」
天清さんのことだけ、名前で呼ぶっていうことは天清さんの能力を買っているからなんだろうけど、私のお父様がそんな人じゃなくてよかった。