Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
抱えてみると、彼は体も、息も熱かった。
(あれからなにも食べてないの? ほんとにバカなんだから!)
ツカサの体を引き摺ってどうにか部屋へ引っ張り込んだ比菜子は、座椅子にもたれさせ、自分の発熱用にストックしているスポーツドリンクをストローで飲ませた。
その間にテーブルを畳んでスペースを作り、ベッド下から来客用の布団を出して敷く。
途中、部屋干ししていた下着を思い出し、一旦カゴに入れて押し入れに突っ込んだ。
準備が整うと、比菜子は全身の力を振り絞り、ツカサをお姫様抱っこして布団の上へと乗せる。
「ハァ、ハァ、まったくもう……」
寝かせてジャージのジッパーを下ろし、濡れタオルで額や首もと、襟から手を伸ばせる範囲の部分の汗を拭き取ってやり、枕の下にはタオルを敷く。
体温計を脇に挟ませて一分おいてみると、見事に三十八度五分と出る。
(やっぱり熱ある)