Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
第2話 ぷち同居開始
「んん……?」
ツカサは、ゆっくりと目蓋を持ち上げた。
視界は天井。ぐつぐつという鍋の音と、鰹出汁の匂いがしている。
「起きた?」
キッチンから比菜子の声がし、ツカサは慌てて体を起こした。
額に置いてあったらしい氷袋がタオルごとボトンと落ち、彼は自分で用意した覚えのないそれを目で追う。
「……ここって……?」
「私の部屋。布団もない状態なら言ってよね。貸してあげたのに」
比菜子は背を向け、鍋の火力を調節しながら返事をする。
彼女と喧嘩をした記憶が新しいツカサは、さっそく力を借りている状況に、情けなくなり頬を染めた。
「……そんなん迷惑だろ」
「お隣さんにのたれ死にされるよりはマシです」