Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
「風邪治ったみたいだけど、一応消化にいいもの作ったよ。食べよっか」
小さな折り畳みテーブルに、温野菜サラダ、茶わん蒸し、ご飯に手羽先のスープ、そして輪切りのバナナの乗ったヨーグルトが並べられた。
「いただきます……」
「どうぞ」
ひと口食べて、ツカサはすぐに目を輝かせた。
「美味い……」
自己満足だった料理が育ち盛りの男の子の口にも合うと証明され、満足した比菜子は自分も箸をつけ始める。
(ひとりのときよりも健康に気を遣ったものを出すようになるから、これは私にとっても良いことなのかも)
「あ、そうだツカサくん。お願いがあるの」
「おう、なんだよ」
「今うちの会社が商品を使ってくれるモニター集めてるんだけど、協力してもらえないかな」
比菜子はまずはドンと要件を伝え、続いて資料を出そうとバッグに手を突っ込んだが、ツカサは間髪入れずに「いいぜ」と頷いた。
「え、まだなにも説明してないのに」
「比菜子にはなんでもしてやるって言っただろ。頼みごとは全部聞く」
〝キュン〟
彼女の胸からそんな音が鳴る。