Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
第3話 夜のデートへ
ツカサはアルバイト初日を終えた。
「掃除の仕方が雑だって店長に怒られた。やったことねぇのに……」
すっかり気落ちしている様子の彼は、膝を折って座布団に座り、そこにコテンと頭を埋める。
「よしよし」
比菜子が出来上がったご飯を並べながらついでに頭を撫でると、ツカサはブルブルと首を振る。
「頭撫でんな!」
「落ち込まないの。わからないことは正直に言って教えてもらえばいいのよ。これからこれから。お皿洗いはできるようになったんだもの、掃除だってすぐできるって」
「本当か? すぐできるようになるのか?」
「ツカサくんなら大丈夫」
「わかった。がんばる」
(かわいい)
単純な励ましで元気を取り戻したツカサは、やっとテーブルの上の料理に目を向ける。
「比菜子の飯は相変わらず美味そうだな……」
大葉とチーズの入った白身魚のフライと、海藻サラダ、きんぴらごぼうが並べられ、白ご飯と豆腐の味噌汁がほくほくと湯気を立てている。
ツカサはパーカーのお腹のポケットから、スマホをサッと取り出した。
彼は箸をつける前に、カシャッと音を鳴らして料理を写真に収める。
(ツカサくん、なんで撮ってるんだろ?)
そしてすぐにスマホを仕舞い、箸に持ちかえ、手を合わせた。
「いただきます!」