Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~

「え」

比菜子は思わず、言葉を失った。
言ったものの照れくさくなり、彼は猫みたいにこちらを見ている。

こんな綺麗な夜空の下でそんなこと言われたからか、素直な言葉がじんわりと胸に響く。

「……大げさだよ」

やっと答えたその声はうれしさで震えていた。

「大げさじゃねえよ。比菜子と一緒にいるようになってから気分いいんだよ。体動かす気にもなるし、体調もいいし」

「そ、そう? 『へるすた』の力は絶大だね」

「比菜子。ありがと」

お礼を言われるのが本当に照れくさくてなんとかかわしたつもりだった比菜子だが、ツカサはそれをさせなかった。

頬が赤くなるほどグッときて、それ以上なにも言えなくなる。

「……どういたしまして」

満足げなツカサと、赤い顔を上げられずにうつむく比菜子は、しばらくして歩みを再開する。

「おい、泣くなよ」

「うるさいっ。泣いてないっ」

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