Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
しかし、仕事を終えて帰宅し、ツカサが共用玄関まで「おかえり」と迎えに来るのを目にすると、比菜子は再び顔が緩む。
「ただいま」
この一か月で一皮剥けたのではないかというほど成長したツカサは、スーパーに寄った比菜子のマイバッグに手を伸ばし、「俺が持つ」と受け取る。
(頼もしくなったなぁ、ツカサくん)
トイレ掃除を習得した彼は、嫌々ながらも自分の部屋のトイレを使えるようになった。
比菜子に合わせて規則正しい生活をしているおかげで、バイトにも遅れることなくしっかりとこなしている。
心なしか広くなったように見える彼の背中を、しみじみと見つめた。
「これ、貰ってきたテイクアウトのソースな」
「ありがとう!」
【チェリッシュoriginal】という白いラベルが貼られた銀のパックを四つ、紙袋のまま受け取った。