Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~

比菜子は言い返せず、それどころか婚約者がいるとも知らずにツカサとあれこれしていた自分が恥ずかしくなる。

(なに傷ついてるのよ、私……)

彼を部屋へ招き、料理を振る舞い、風呂へ誘い、そしてベッドで浮かれていた最近の出来事が、から回った思い出として次々に思い起こされる。

(保護者だって言い張っていたのに、ツカサくんにそれ以上を求めそうになってた。私って本当にバカ……)

彼女の目じりに、じわりと涙がにじむ。

みじめで消えてしまいたい。そんな感情に押し潰されそうなときだった。

「比菜子? 」

比菜子の背後の方向から、バイト帰りのツカサがやってきた。

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