Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
共用玄関へ入りふたりで靴を脱ぎながら、どちらも会話のきっかけを探していた。
(有沙ちゃんが現れていろいろとわかったかも。ツカサくんがこの年でウブなのは、幼なじみの婚約者がいたから女の子と遊んでこなかったせい。最近誰かに後をつけられている気がしたのも、きっとあの子だ)
廊下を歩き、お互いの部屋の前に到着する。
「……有沙ちゃん、お人形さんみたいな子だね」
比菜子から会話を始めると、ツカサはピクッと反応した。
(でも、ツカサくんは本当に有沙ちゃんと結婚するつもりでいるの? だってそれなら普通、私の部屋に来ないはず。もしかしたら、婚約者っていうのもあの子の一方的なものなんじゃ……)
彼をジッと見つめ、真意を探る。
「ねえ、ツカサくんと有沙ちゃんって、いったいどんな──」
「比菜子」