Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
第5話 ショックの嵐





「はぁー……」

仕事中、パソコンのタイピングは止めないまま比菜子は大きくため息をついた。

あれから時間が経って落ち着いてきたものの、自分の選択が正しかったのか疑問が残る。

(いくら家出中っていっても、婚約者のいるツカサくんを私の部屋に住まわせるのはダメだよね。秘密にしてくれって言われたけど、このままでいいわけない)

昨日のふたりを思い出し、ついにタイピングを止め、目を伏せる。

(……また都合のいい女になってる。ツカサくんがこんな私を褒めてくれるから勘違いしてた。本当はただ利用されてるだけなのに)

数値の入力が中途半端なまま気落ちしていたところで、ちょうど彼女の肩に大きな手が置かれた。
それとともに「浅川さん」という低くやわらかい呼び声が聞こえる。

「篠塚課長……」

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