Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
財布にしまった無料券を思い出しながら、仕事終わりの比菜子は電車に揺られていた。
(一緒にいるといいことづくし、か……。以前ツカサくんがそう言ってくれたけどお互いさまなのよね。仕事にも協力してくれてるんだし、これ以上を求めるほうが贅沢なのかも)
最寄り駅へ到着すると、遠目に『チェリッシュ』が見える。
そういえば今日はツカサは夜シフトのため夕飯はいらないのだ、と思い出した比菜子は、なにを買って帰ろうかとスマホを取り出しレシピの検索を始めた。
するとちょうど、メッセージの着信音とともに画面に【ツカサくん】と表示され、ドキンと胸が鳴る。
(なんだろう)
すぐにメッセージを開いた。
【今日は夜シフトだけど、バイト先来るなよな】
今度は重苦しくズキンと鳴る。